蠍座の満月「月食」の活用法

『月食』は、普通の満月よりも心理的な影響が強く、個人の魂にとって『月食』の影響は、『受け取る経験』に現れます。今生で誕生した魂が、成長するために取り組んでいく課題です。これは宇宙から与えられている運命であり、私たちの魂が、たどるべき進化のプロセスになります。人生において巡ってくる月食テーマの指針に従うと、あなたの魂の成長が促され、人格も磨かれていくことになります。個人の魂の成長の度合いは、月食がもたらす経験を理解して、慈愛と感謝の気持ちで受け入れるか、あるいは、その経験に不満や怒りを感じて拒絶するかの選択で決まります。

 

5月16日に月食が起こりますが、残念ながら日本では観ることができません。今回の月食の影響は、月星座である蠍座もたらす学びとして「価値観」がテーマになります。何かが起きるたびに「基本的価値観は変動しないこと」や、「自分の価値観を他人と共有すること」、「他人の価値観を自分に沿わせようとコントロールしないこと」、「性にまつわる行動に責任を持つこと」への学びになります。

 

蠍座の支配星が冥王星であることから蠍座の月食エネルギーは、とてもパワフルな変革をもたらします。私たち一人ひとりの個人が放つエネルギーが善悪のどちらであっても、それが自分に返って来ることに気づくよう強制的な力で影響を及ぼします。自分の行動全てに責任を持つことを、身をもって学ぶ機会を与えてくれるでしょう。私たちが放つエネルギーには、プラスとマイナスのエネルギーが存在しています。外界にマイナスのエネルギーを放つと、その結果、必ずそのエネルギーは自分に返って自ら足元を揺るがし、人生の妨げになります。

 

今回の月食は、プラスのエネルギーを放つことを覚えることが重要なテーマになります。個人が放つプラスのエネルギーは、自分ひとりの責任に留まらず、社会に対しても責任を持っているということになります。私たち一人ひとりが放つエネルギーが集まると、集合体意識のエネルギーに転じます。蠍座のエネルギーは、人の世の悪徳について熟知していて、どこをどう修復すれば良いのか、あるいは修復が不可能なものは破壊するべきだと促します。蠍座のエネルギーは、魂の成長に不可欠な価値観において、他人を尊重することを学ばせます。自分の価値観を他者の価値観に照らし、分かち合うことを要求することから、二つの価値が合体・融合することを促します。

 

月食の影響は、次の牡牛座の月食(11/8)が起きるまで及びます。他者と自分の価値観を結びつける、蠍座の月食エネルギーの働きを活かして、自分が信頼できる人々と繋がり、仲間を集め、自ら理想の集団(人脈ネットワーク、コミュニティなど)を形成するよう力を注ぐ必要があります。個人の意識レベルを高めながら、未来に向かって理想の社会を目指し、世の中に必要な活動を広めていく集合体意識に繋がりましょう。時間がかかっても、集合体意識が大きく広がっていくと、健全な社会になるように、影響を及ぼす力を発揮できるようになります。

 

その他に「自分の限界や境界線を学ぶ」テーマもあるので、自分の力を意識的にコントロールできる能力を培うよう促されます。そうしなければ、自分のエネルギーを暴走させてしまうので、常に自分の周りには嵐と混乱を巻き起こしてしまうでしょう。自分のエネルギーの限界や上手い使い方が分かるようになると、社会活動において、自分のエネルギーを自ら制御できるので、安定して自分の立場を守ることができます。その上で、自分の立場の範囲内で行動することができるようになるので、自分のエネルギーが暴走することがなくなり、対人関係のトラブルや危険な行為による事故を回避できるようになるでしょう。自分の中によりどころとなる価値を見つけることが必要です。

 

蠍座の月食で引き出されやすい能力は、『自己鍛錬』『他人の心理を理解する』『パートナーシップを深める』『物欲や所有欲を断ち切る』『前向きな変化を選択する』『他人の協力を受入れる』『自分と同じ価値観を持っている人を見つける』『資源(財産や能力)を持っている人を見つける』など…。

 

上記の能力を積極的に引き出し培っていくと、自分にとってマイナスになっている繰り返しパターンに気づき、素直に自分のためにならない言動や行動パターンを手放せるようになるでしょう。そうすると、人に対する猜疑心や妬み、嫉妬がなくなり、人との健全な絆を持ち、信頼関係が築けるようになるので、人生を楽しく感じられるでしょう。

 

蠍座の月食で陥りやすいことは、『所有欲』『過去にこだわる』『変化を拒絶する』『他人の意見を拒絶する』『頑固さ』『蓄積と所有権にこだわる』『現実逃避の依存』『官能的な喜びにハマる』『物事を複雑にしがち』『自分の策略に溺れる』『視野が狭まる』『破壊的な衝動』など…。

 

上記の陥りやすい傾向が、自分に当てはまる場合、それを意識して減らすよう努めると、次第に人生が生きやすく、楽になっていくでしょう。