3泊4日の出雲セラピーツアーを終えて

 

今年も、セラピストと行く「ネイチャーセラピープログラム2017 in 出雲」3泊4日を、無事に終えることができました。

 

お世話になりました皆様、お陰さまで4年目を迎えることができましたこと、深く感謝申し上げます。

 

出雲大社をはじめ、島根全域における自然やパワースポット、神話の地で暮らす方々との出会いの場をもち、人と人との心の繋がりを大切に、ティクレは島根県での交流活動を広げてまいりました。

 

今回の島根セラピーツアーの内容は、10月という秋の収穫期ということもあり、セラピープログラムに加えて、秋の収穫体験&味覚堪能ツアーとなりました。


1日目は、地元食材(飯南町の無農薬野菜やカモしゃん米の新米など)をふんだんに使ったヘルシー&美味しいランチを「カフェ・オリゼ」さんで、その後、八重山神社参拝を終え、峯寺にて、宿坊体験(的な…)でした。ご住職ご夫妻との交流会もあり、貴重な時間を過ごさせていただきました。

 

今回は、古代出雲歴史博物館にて10月20日から始まる(12月4日まで)「島根の仏像」企画展に展示される予定の平安時代の秘仏のご開帳式に参加させて頂きました。ご住職のご高配により、33年に一度のご開帳式という、秘仏「聖観音菩薩坐像」を拝顔できる貴重な機会に恵まれましたこと、心から感謝申し上げます。



2日目は峯寺での精進料理に舌鼓…。大女将が自ら献立を立て、季節折の食材を使っての創作料理です。こちらの精進料理は秘伝のレシピということもあり、長年に渡り受け継がれてきた伝統の味です。どれも繊細な食材の味が生かされており、体が浄化されていきます。

 

本堂での読経を終え、心を浄化、そして体の中も精進料理で浄化され、中秋の名月での満月ワーク…。今回のテーマは、「五感を使って共感覚を目覚ませる」です。この後の森林セラピーでの体感ワークに備え、自分の五感の得意性を知っていただきました。結果では、自分があまり使っていない感覚が明確になり、どの感覚器官を意識すれば、感覚のバランスが取れて共感覚を培っていけるのか、各々が理解することができました。

 

夜の満月体験ワークでは、出雲の神楽団でご活躍の横笛奏者の方をお招きして、生演奏を披露していただきました。祭り囃子のはやし子や童謡曲、賛美歌の「アメイジング・グレイス」まで幅広い演奏に感動…。

 

さらなる演奏者からのサプライズで、自らが作られたという貴重な横笛を借りて、自分たちが吹けるようになるまで(音が出せるようになるまで)講習会をしていただきました。横笛で音を出すことの難しさや、音階や独特の音色のテクニックなど、とても分かりやすくて楽しく学べました。

全員が、横笛から音を出すことができ、本当に楽しい時間を共有できたと思います。




3日目は森林セラピーでしたが、朝からポツンポツンと雨模様…。多少の不安を残しながらも、飯南町森林セラピー基地へと向かっていくうちに、雨は徐々に弱まってくれました。森林セラピーをする際でのコンディションとしては、とても良好な状態です。

 

森林セラピーとは、癒し効果が科学的に検証された「森林浴効果」です。森林に足を踏み入れると、一面に緑が覆い、木々や土が香り、森林にに息づく命や力を感じることができます。樹木から発散されるフィットンチッドやマイナスイオンが充満している森林浴…。その力は私たちを癒しリラックスさせてくれます。

 

ありとあらゆる自然の香りが調和し、あちらこちらから独特の香りが漂ってきました。その香り成分であるフィットンチッドとは、微生物の活動を抑制する作用をもつ樹木などが発散する化学物質です。これには、癒しや安らぎを与えてくれるリラックス作用があり、私たちの自然治癒力や免疫力を高めるので、 森林浴による健康の維持増進が期待できます。

 

今回は、そんなベストコンディションの中での森林セラピーになりました。森林散策の終わりには、この時期に収穫される地元の食材を使ったお弁当を美味しくいただきました。食後には、木と木の間に張ったハンモックの中でお昼寝という癒し…。そよ風や葉刷れの音、小川のせせらぎや小鳥のさえずりなど、自然がもたらす倍音のハーモニー…。あまりにも心地よい空間に、50分間も爆睡していた達人がおられました。睡眠不足の方や、不眠症でお悩みの方におすすめのセラピーです。

 

また、原風景の山間に佇む古民家では、宿泊しての「和菓子づくり」体験をさせていただきました。

島根県の松江は水の都として知られる城下町で、京都や金沢と並んで茶処・菓子処としても有名です。その松江の老舗和菓子屋の和菓子職人のもとで修行された方が、古民家のオーナーで和菓子作りを教えていらっしゃいます。

 

和菓子づくりという創作活動を通して、美的感覚を発揮させ、各々の五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を刺激していただきました。ここで宿泊することから時間を気にせず、思いっきり和菓子づくりに没頭することができました。初心者でも、基本的な作り方を学べば、後は個人の美的センスや創作力を発揮して和菓子をつくれます。

 

同じ型の和菓子を作っても、各々で色彩や形が微妙に違っています。どれもこれも愛おしいユニークな和菓子たちでした。和菓子づくりの後はオーナーさんを交えた夕食会で、イノシシ鍋と季節の食材を使った天ぷら料理を堪能…。翌日の朝には、オーナーさんからお抹茶と和菓子を振る舞っていただきました。目の前に広がる朝霧の中に、うっすらと見える山並みの風景が幻想的で、まるで日本画の世界に心から癒されました。




4日目の最終日は無農薬カモしゃん米の生産地で食育について学ぶ体験ワーク…。4月に「芋掘り体験をさせてください」と、お願いしたところ、話が盛り上がり集落挙げての芋掘りイベントになりました。10月のこの時期は、農家さんにとっては稲刈りや作物の収穫時期で、とても忙しい時期にもかかわらず、この上ないおもてなしに感謝と感動の連続でした。

 

こちらで作られる高原野菜は、どれも瑞々しくて香りがよく、素材の味がはっきりしていて生命力に満ちあふれています。芋掘り後の交流会では、それらの食材を使った地元料理が振る舞われました。

特に、サツマイモの焼き芋天ぷらは、珍しく絶品でした。焼き芋が美味しくて、何度もおかわりしてしまいました。サツマイモと舞茸の炊き込みご飯や、エゴマの塩漬けで巻いたカモしゃん米のおにぎりも、とても美味しかったです。

 

今回の芋掘りイベントは、地元の方々にとって、日ごろ接することのない都市部で暮らす人々との交流に戸惑いもあったと思いますが、地元の皆さんと参加者の笑顔が、このイベントを通して、心が通ったという証し…。この上ない成果だったと確信できました。

 

それ故、このような貴重なお時間と地元の方々の心温まるおもてなしに、参加者一同、心から感謝しております。来年も島根セラピーツアーで、地元の皆さんとの交流を楽しみにしております。

 

今回の3泊4日の島根セラピーツアーは、普段できないような体験と、人と人の心の交流が主体になりました。自然の中で過ごしていると、普段の時間の流れと違った時間の流れを体験することができます。

 

特に、山の中では常に自然と向き合います。次第に心と体が癒されて、無理なく自己解放されていきます。気負う必要もなく、ありのままの自分を自然は受け入れてくれます。温泉に浸かってボーッとするだけで、体が緩まって気持ちよく幸せを感じます。

 

このツアーを終えるころ、参加者さんの満面の笑顔が輝いています。私にとって、最高のギフトになりました。今回ご尽力を頂きました皆様に、重ねてお礼申し上げます。