うさぎにて 2016 ~ その2:ナイトクルージングで海ほたる&黄泉の穴

 

新月ワークの場所として、出雲の鷺浦に通いはじめて3年目となりました。

 

通常の座学(新月ワーク)に加え、藻塩づくりや、ヒーリングスポットである青の洞窟クルージング、海ほたる観賞のナイトクルージング、姫ホタルと河鹿蛙の観賞会など、自然と調和していく体験ワークをおこなってきました。

 

心のままに素の自分に(童心)にスーッと戻れるので、老若男女を問わず誰もが楽しめると思います。

 

今回、後半のツアーで組まれていた新月の体験ワークは、今までにない特徴的でユニークな内容となりました。

 

蟹座の象徴テーマの1つに「自分の基盤を築く」があり、インナーチャイルドの解放という、蟹座の満月テーマも含まれている体験を、皆で共有することができました。

 

 

7月4日の新月になった直後に新月ワークを行い、各自で新月の誓いを立てました。そして、ナイトクルージングで海ほたるの観賞会でしたが、近日ではなかなか見られなかった海ほたるの群生に遭遇することができました。

 

この日の夜は新月で月明かりがなく、水面に手を入れてバシャバシャすると、海ほたるの青白いネオンの帯が遠くまで広がっていきます。思いっきり手を海水に突っ込んで引き上げると、海水で濡れた手が青白いネオンに染まっていました。

 

前日は大雨で、当日は大潮…。これまでに二度、このツアーに参加された方は、一回目は台風で、二回目は高潮のために船が出せなかったので、三回目でこの海ほたるを観ることができました。

 

さらに、星空とのコラボーレーション効果で、海上にいる私たちの360度の視界は神秘的な空間へと化しました。新月なので、月明りはなく、雲で星空が遮られると、幻想的な水墨画の世界…。水平線がわからない、海と空の境が見つからない不思議な空間に船(私)が浮いている感じです。

 

こればかりは、自然まかせなので、とても貴重な体験となりました。きっと、地元の漁師さんにとっては日常的なことだとは思えますが、私は自分の生活環境とは全く違う環境なので、何もかもが新鮮で五感が刺激され、とても感動してしまうのです(笑)。

 

そして、この海ほたるが見えるレベルにも段階があり、最高に見えるレベルが5だとすると、今回の海ほたるは、レベル5にかなり近いレベル4となり、大満足のナイトクルージングでした。思いっきり海ほたるを楽しんだ後、沖合の暗闇に見えている一際目立つ漁り火があまりに素敵に見えているので感動していると、船長さんが遠く離れたそのイカ釣り漁船まで連れて行ってくれました。

 

まさか、お仕事中のイカ釣りを間近で見ることができ、またしても感動…。この夜は、海上で起きる刺激的な出来事に、心底魅了されました。

 

さて、これにまさる不思議体験が、次の日にやってきました。島根ツアー前半にも訪れたヒーリングスポット(青の洞窟)を巡る、うさぎクルージングでの出来事です。いつもお世話になっている船頭さんにお願いして、青の洞窟に向かうつもりで乗船したのですが、いつものルートを外れ、あれっ~!?と、思っている間に、今まで見たこともない険しい岩場に船を接岸されてしまいました。

 

「はい、着きましたよ。」って、船を降りて目の前にある岩肌を登るように指示をされ、言われるがままに、手つかずの自然の進路(健脚コース)を進みました。道なき道でヘビが現れそうな感じで、さらに草が生い茂っており、前の日の雨で足元はぬかるんでいるため、とても危険な状況です。

 

一体、私たちはどこに案内されているの?と、困惑している中、「着いたよ。」と、案内された場所は、歴史上で出雲風土記に記述されている「黄泉の穴」という洞窟でした。入口は約六尺で、一人が入れるくらいの大きさで、中は暗くて入るには多少の覚悟と勇気が必要でした。

 

前日の雨で足元は泥濘んで、入口には雨水がかなり滴っていました。意を決して細いロープを頼りに穴の中へ入ると、湿度があるわりに冷っとしていて、外気よりも快適でした。ただ、コウモリの巣があるようで、ぷ~んと獣臭が漂っているので、臭いに敏感な人は長居はできない場所です。

 

けれども、この場所で不思議な感覚を体感することができました。それは、私がこの世に出る前の子宮の中に居る感覚です。穴の中から外を覗くと、とても綺麗な光が注いでいました。穴の中に居る皆(同行者たち)の「魂」は、この子宮の中で「肉体」と合体し、自分の意志で、外界(未知の世界)であるこの世に、生まれてきたのだと言う確信が持てました。

 

現実のこの世界は、私が想像していた理想の世界ではなくても、自分でこの世に生まれ出たことに間違いはないので、この穴から外に出た瞬間に、生きることの大切さを身をもって感じられました。

 

東京に戻って来て、気づいたのですが、前回の射手座の満月で行なった私の解放テーマの1つに「恐れの解放」がありました。この時、カードリーディングを行なったのですが、この時に引いたカードが、まさかの「瞑想する洞窟」でした。

 

瞑想する洞窟は、私を守り愛を感じる場所。そこから旅立つ時、私は潜在意識のパワーと顕在意識の知性が一つとなり、恐れを手放し、私自身が輝けるよう生まれ変わるということでした。そして、実際にそのような感覚を体感した場所が、その洞窟が「黄泉の穴」(*)でした。

 

蟹座の新月テーマは、「自分の基盤を築くこと」「心の安定を促すこと」「ありのままの自分を愛すること(インナーチャイルドの解放)」「自己成長」など、今回の体験は必然だったように感じられました。八百万の神々が宿る「出雲」のパワーは、絶大でした。

 

話を元に戻すと、この黄泉の穴から戻り、次の青の洞窟に向かうために乗船したのですが、10m位進んだところで船がエンジントラブルを起こし、私たちの船は遭難してしまいました。

 

結局、渡船に救助されたのですが、救助用のロープが細かったのか、けん引してもらっていた途中でロープが切れてしまい、二度目の遭難(笑)。もしかして、この原因は厳粛な「黄泉の穴」で、はしゃいでしまったことでの戒めなのかも…。

 

こんなタイミングでハプニングに見舞われてしまい、状況は深刻だったのですが、不思議と心はとても穏やかでいられました。結局、今回のクルージングは、そこで終了してしまいました。今回のツアー参加者にとって、青の洞窟への上陸だけは、またも次回に見送られることになりました(笑)。

 

*「黄泉の穴」とは、出雲風土記に記述されている伝説によると、天照大神の父親であるイザナギノミコトが、火の神を生んで死んでしまい死者の国(黄泉の国)に行ってしまった妻のイザナミノミコトを忘れることができず、イザナミノミコトを黄泉の国から連れ戻すために入った穴とされています。そこで再会したイザナミノミコトは、身体が腐敗して容姿も以前とは全く違って、醜く変化していました。そして、さらに夫であるイザナギノミコトを殺そうと醜女(しこめ)たちを使って襲いかかります。その追ってを撃退し、黄泉の国から逃れたイザナギノミコトは黄泉の汚れを落とした時に、自分の左目から「アマテラス(天照大神)」、右目から「ツクヨミ(月夜見尊月読命)」、鼻から「スサノオ(建素戔嗚尊速)」の尊い三貴神を生み出したとされています。