森林セラピー&蛍狩り

 

国内有数の森林セラピー基地の中でも、島根県飯南町の森林セラピー基地は、とくにお奨めの場所です。

 

のんびりと森林の中に身を委ねて、五感を研ぎ澄ませるには最高の場所です。

 

こちらでは、マットを敷いてゴロンと寝転ぶだけでも気持ちよい環境です。

 

私は、ここでヨガを行うのが好きです。思いっきり深呼吸して、新鮮な空気(マイナスイオン)を体内に入れます。日頃、どれだけ美味しくない空気を吸っているのか、すぐにわかります。とても空気が美味しいと感じることのできる、とっておきの場所です。

 

なぜかというと、水や空気が美味しいから、ここは夜になるとヒメボタル、ゲンジボタル、ヘイケボタルの3種類が同時に観られます(期間は限られます)。

 

木と木の間にハンモックを吊るして寝るだけでも心地よいのですが、さらに身体をすっぽり布に包まると、サナギの中にいるような感覚になります。※但し、森林セラピー基地でのハンモック使用には許可がいるので、森林セラピーガイドの同行が必要です。

 

サナギ体験の中で目を閉じ五感を研ぎ澄ませると、まず体感としてハンモックが揺れるので風を感じました。それから強弱のある風や木葉の擦れる音、鳥のさえずり、小川のせせらぎなど、五感を刺激する心地よい調和音が聴こえてきました。

 

それと併せて、風や土の匂い、草木や森林の香り、小川が運ぶ清涼感が漂う水辺の香りを感じました。季節ごとに森林の中の香りは違っていますが、どの季節も独特な香りを放ち調和しています。

 

人工的な邪魔な存在がなく、自分自身も自然と同化している安心感…。時の経つことを忘れ(時間と言う概念を解放して)、自分の存在さえ忘れてしまうような、自然の心地よさだけを体感…。自らが自然と調和し、心身が共に「ニュートラル」になれる空間です。

 

今回は、森林セラピーガイドのティクレ出雲支部長と先輩ガイドさんに同行して頂き、夜に蛍狩りを楽しむことができました。

 

シーンと静かな暗闇(新月)の森林の中を案内され、たどり着いた場所で見た光景は、まさにファンタスティックな蛍の群生に360度囲まれていました。頭の上を見上げると、森林から覗く新月の空は、満天の星空…。高木に沿って上昇し過ぎた蛍が、木と木の間を渡る瞬間、まさに「流れ星」と化して、幻想的な空間へと誘われていました。

 

もちろん、手元の照明は全て消しているので、蛍のおぼろげな青白い光だけが際立ちます。さらに、山登りで培ったガイドさんが持参してくれたティーセットで、ナイトカフェを楽しむことができました。少人数ならではの、本当に贅沢なホタル観賞でした。

 

後で聞いたことですが、ここの場所は30m程先にクマが通る獣道があり、かなり危険な場所だったそうです。プロのガイドさんが、事前にこの場所に入りクマ鈴を鳴らし、ちゃんと安全確認をされていました。その労力のお陰で、私たちは何の心配もなく、貴重な蛍狩りができたことに感謝しています。この素晴らしい自然環境が、この先も保全されることを願うばかりです。