今回の島根ツアーは、前半と後半で、それぞれ違ったプログラムを展開しています。
前半のプログラムには、緑豊かな原風景が広がる奥出雲の農家さんのお宅に民泊しての蕎麦打ち体験やホタル狩りなどを楽しみました。
こちらのお父さんやお母さんは、私たちを家族のように気さくに接してくださるので、田舎の実家に戻って、寛いでいるような感じになりました。
今年はお庭で飼育しているニワトリに、新しくチャボの親子(小さな品種のニワトリ)が家族として加わっていました。朝から賑やかなモーニングコールの大合唱にビックリ…。
早朝5時頃、まず一匹が鳴き出すと、それに続けと言わんばかりに次々に高いトーンで鳴き始めるのですが、どうしても一匹だけが中途半端な鳴き声になるニワトリがいて、音を外してしまいます。なんとも間抜けでユニークな鳴き声が、あまりにも可笑し過ぎてしまい、寝ていながらも我慢ができず、吹き出して起きてしまいました。そのニワトリは、きっと修行中なのでしょうね。
次回は、素敵な美声を聞かせてくれるかな…。とってものどかな1日の始まりでした。
こちらの農家さんは、有名なお米ブランドの奥出雲「仁多米」コシヒカリを生産されています。こちらの仁多米のおにぎりは、甘く粘りがあり、噛めば噛むほどに旨味が口の中に広がり、本当に美味しかったです。冷めたおにぎりが硬くならず、さらに美味しく頂けます。あまりに美味しすぎて、おにぎりを食べ過ぎてしまいました(笑)。
お母さんお手製のキュウリの辛子漬けも美味でした。これだけシンプルな食材なのに、この上ない贅沢なご飯をいただいているのだなと幸せを感じました。本物のお米は、肥えた大地や清らかな水、美味しい空気などの条件が揃い、これらの波動バランスが調和している、自然の恵みに溢れるパワー食材と言えます。
農家さんが自然を相手に手間暇をかけ、美味しいお米になるように、精魂をこめて作られています。美味しいお米を口にできるのは、農家さんのご苦労があってのこと。二地域居住生活を通して、農家さんとの交流や家庭農園を行うようになって、改めて心からの「いただきます」が言えるようになりました。
この時期、奥出雲の夜は、田んぼに蛍が飛び交っています。お家の中にもホタルが遊びにくる環境です。天然のホタルと、星空にも感動…北斗七星から放たれた流れ星を一つ見ることができ、興奮が冷めやまない楽しい一夜を過ごしました。
翌日は、こちらの農家さんが栽培されている古蕎麦の粉(希少な原種)で、蕎麦打ちをしました。今回は二度目なので、皆それぞれの手際がよく、出来上がりの蕎麦の太さも均等になっていて、完成度もかなりの上達ぶりでした。打ち立ての二八蕎麦の風味は抜群によく、歯触りと喉ごしも言うことなしでした。
このように地元の方が精魂込めて作られた食材を使い、一緒に料理をして食する交流は、「食育の学び」です。健康なお野菜は、風味もよく味が濃いので、調味料をあれこれ駆使することなく、素材そのものをシンプルに食せることが、一番の贅沢ではないのかと、考えさせられてしまいました。もちろん、保存するために野菜を加工しますが、それも最小限のお塩や醤油、味噌といった昔ながらの保存法です。
3年前から通い始めた島根ですが、私にとっての島根は、古事記や日本書紀に記されている歴史や伝統、出雲という独自の文化に秘められた、先人の知恵がいっぱい詰まっている貴重な場所となっています。関東においては、知名度が低いのですが、出雲大社でおなじみの八百万の神々が集う独特の風土に一度足を踏み入れてみると、私のように魅了される人も少なくはないでしょう。私の周りには、ここ数年で島根マニアが急上昇しています(笑)