桜のシーズンが訪れたと同時に、我が家のベランダでは
プランターで育てている黄色いマーガレットが咲き始め
ました。日に日に、蕾がほころんでいくその姿を愛でる
ことは私の喜びです。
昨年の10月8日に可愛がっていたセキセインコの
『ぷるぷる』が突然死んでしまいました。
前の日まで元気だったので、その死はとてもショック
でした。当時、お世話になっていた小鳥の病院でも
原因がわからないまま、小鳥の病気は急変することが
多いのでと告げられてしまい...その死を受けとめざる
しかないようでした。
そうは言っても、我が家での生活は6年目になったところで、小鳥としての寿命は短かったのではないだろうかと。当時は、ちゃんと育ててあげられなかったことに対して罪悪感を抱いていたことを覚えています。
そんな時、小学生の低学年での出来事を思い出しました。神社のお祭りの金魚すくいで2匹の金魚をすくって、自宅で飼うことになりました。
しばらくして、その金魚が死んでしまい、私が泣いていたときに父親が植木鉢に埋めると金魚が生き返ると話してくれました。子供だった私は、その話を素直に受け止め、植木鉢に金魚を埋めました。『金魚さん生き返って』と願うことで、金魚が死んだ悲しみよりもまた会えるのだという希望で気持ちは前向きになっていたことを思い出しました。
その日から植木鉢の世話をすることになり、毎日わくわく観察しました。
何日か経ったある日、植木鉢の中に植物の芽が出て育ち始めました。
さらに月日が経ち、その植物に小さなピンク色の蕾がつきました。
やがてその蕾が綻び、濃いピンクの花をいくつも咲かせました。
その花が咲いたときに父親が『キンギョソウ』という名前を教えてくれました。
後に気づいたのですが、父親はキンギョソウの種を蒔いてくれていました。
子供心に、命は形を変えて生まれ変わるものなのだと感じることができました。
はるか昔の出来事で忘れていた記憶が『ぷるぷる』の死で蘇りました。『ぷるぷる』の亡がらは、大切にプランターの中に埋葬しました。今は、黄色いマーガレットが咲いてくれたことにこの上ない感謝の気持ちでいっぱいです。
余談ですが、『リトルブッダ』という映画の冒頭にいけにえとして神様に捧げるためにヤギを殺そうとする僧の話が出てきます。その中で、ヤギが僧に語るのです。
「私は今回の死で499回目になり、500回目の生まれ変わりで人間になるので幸せです。でも、あなたは、私を殺すので次の生まれ変わりは人間ではなくヤギになるので可哀想。」
その言葉に僧は心を打たれ、ヤギに謝罪して生き方を改めました。
私もその言葉に、気持ちが引きつけられてしまいました。肉体は滅びても、魂は次の段階へと旅立ち、現世の行いで次の生まれ変わりが決まるというのです。現世で動物に生まれたとしても、来世では人間に生まれ変われる可能性があれば、『ぷるぷる』は、セキセインコでなくて、人間として生まれてくるのかもしれませんね。
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